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『報告はメイリンに頼むから、キラは、ラクスの傍にいてやれよ』
カガリの言葉にキラは小さく頷き艦橋からでる。キラさえ傍にいればラクスは元気になるんだからなと、背中を押す。
艦橋にはメイリンとアスランだけになった。
アスランはメイリンの座っている席よりやや離れたところにかけていて、肩を落としひどく重い表情をしていた。
『メイリンも、すまない、辛いだろうが報告を頼む。』
この後のオーブはどうでなければならないのか。それを押し計らなければならない。オーブはラクスという切り札を切ったのだ。オーブのラクスが偽者か、議長のラクスが亡くなったとなればその真偽をプラントは求めるに違いない。
議長もどう出るか、正直オーブが望むようには動いてくれないだろう。
だが何よりも、プラントとの外交が絶たれる事が起こってはならない。
「いいえ、私もそう思いますから。」
『ありがとう』
メイリンが、事件自体の話と、それに対するプラント、議長の反応、コペルニクスの状況を順々に説明する。
メイリンが時々アスランを気にしながら通信をしていたが、アスランは動かずに話を聞いているのかさえも疑わしい様子だった。
カガリも気にとめず、報告に対し思考をめぐらせていた。
『経過は何らかで、返信したいと思う。メイリンも無理するなよ。体とか、・・そうだな、私はそれほど興味はないが肌とか気になったら、ラクスや、ミリアリアに聞くと教えてくれるぞ。』
「あ、はい、ありがとうございます。」
『じゃあ、気をつけて』
「あのっ、・・アスランさんに伝えることって・・・・ないですか?」
カガリの大きな目が見開く。
だが、それほど表情を変えることもなく、
『・・・メイリンに伝えたことと同じだけど?』
「・・それは・・そうですが・・」
メイリンが言いたいことがまとまらず、言葉尻が小さくなる。
『・・・手のひらを前に出して、見つめて。』
「え?」
『伝えてくれ』
「あ、はいっ」
メイリンは自分が伝えてもいいのかもしれないが、聞こえるならそのまま聞こえたほうがいいんじゃないかと、音量を上げた。
『手のひらを見つめて、・・・そして強く握り締める。』
振り返ると虚ろなアスランの右腕がのろのろとゆっくりと持ち上がる。震える手のひらを握った。



・・・手の中心が、熱くなってくる。

・・力が現れるように。

『私は、おまえが守りたいものは私も、守りたい。おまえが望むこと、それは私の願いだ。』
その力を後押しするカガリの声。
オーブの首長として、たくさんの命を守れ無かったカガリの言葉。だけど諦めない言葉。
『それは知っててくれ。』
・・・・・アスランは再び手のひらを握った。条件反射、に近いのかもしれない。
勇気が湧き上がる。

こんな子供だましみたいな事だけど、ザフトでこれを簡単に言える奴はいない。
『落ち込んで気を抜くなよ。世話になったAAのみんなを直接守れなくて私は誰よりももどかしい思いしているんだ。しっかりしろよ。・・・じゃ、また、定期連絡する。』
そこで通信が切れた。

「・・不思議、ですね。」
ぐーぱーぐーぱー手を開いたり握ったりしたメイリンはした。
「・・・・・ああ。」
ちょっと慰め方違うなとぼんやりメイリンは思った。
ふとアスランに向き直ると重かった表情が緩んでいる。
大丈夫って言ってもアスランは大丈夫しか言わないよって言われた。
こういうことなんだろうと思う。

ゆっくりアスランが立ち上がる。
背中を押されたわけじゃない。ただ、彼女が戦っているのに呆然としているわけにいかないから。

この戦いは勝ちに行く戦いじゃない。

だけど、


絶対に、負けてはならない戦い。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっと前に書いた、SS。
こっちに移そうと思って。
ちょこっと追加。
ミーアが殺された回でつらつらと描いたもの。
同人漫画にしたいけど時間ないからできないもの。



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