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CE63
コペルニクス。

「オイ、お前、いい加減にしろよ」
おもちゃ売り場に変声期前の男子の怒る声が響く。
月面都市の中でも1・2を争うショッピングモール8階で子供同士のけんかが始まろうとしていた。
どうやら、発売したばかりのゲームを体感できるブースにてさっきからすぐ負けるのに、負けてもやめない奴にしびれを切らしたらしい。
怒鳴った男子がそいつからコントローラーを取り上げ、度突き倒した。
「っっ、っってーーーなっ!!!」
「お前、負けたらすぐ交換だろっ。何ずっとやってんだよっっ」
「・・・っ!?しらねーよっ、そんなんっ、だったら殴る前に教えろよっ。」
「公然のルールだろ、知らない奴が入ってくんなよ。」
「知らないって言ってるだろっ」
「もう、うっさいなっ、あっちに行けよ」
「そうだよ、下手くそなのに、未練がましくやってんなって。」
「ここは練習するところじゃないんだよ~」
周りの仲間も同調する。本当に鬱陶しそうに陣取っていた奴を排除しようとする。
ここの4つあるブースのうち対戦も可能になってらしく、4人でやりたいのだが、そいつがいたため、出来なかったのだ。
「・・・・さっきもお前ら場所取ってたじゃないか・・・。少し前、昼でも食いに行ってたかしらないが、お前らのせいで出来なかったやつも多いんだぞっ。お前らこそめいわくだっ」
「だからうるさいって言ってるだろっ、」
がしっと一番でかい奴が胸倉を掴んで脅す。
「邪魔だ」
「場の空気読めよお前。」
「ナチュラル並みの腕しかない奴がココに来るなっ」
胸倉を掴まれて半分中に浮いた状態だが、睨み返した。
「そうやって脅せば、他のやつらみたいに近寄ってこないと思っているのか?」
生意気で気が障る以外の何物でもなかった。
「あいにくだが私にそんな脅しは・・・」
がっっと反動をつけて、重心を下げ、脅していた男子を背負い投げて叩き落した。
「キサマッ」
横にいた仲間ががんっと突き飛ばした。
軽そうな身体はさっきと同じように、床にしりもちをつく。そのあと追撃をしようとのしかかってくるのをパンチを入れようとして逆に掴まれ押さえつけられる。
押さえ込まれても、噛み付いて手の緩んだところに逃げ出そうとするが、再度押さえ込まれた。


「(・・・・キラ、来ているかな・・・。)」
12階にあるレストラン街から母親と別れてアスランが8階まで降りてくる。
対戦したいと言っていたので、補講が終わったら来ると言っていた。
「(大体キラ持ってるじゃないか・・あのゲーム。・・・)」
でもアーケード版でやりたいらしい。
「え・・・・?」
予想外の事が起こっていた。
やろうと思っていたゲームブースの前で自分と変わらない金髪の子が、クラスは違うが同じ学校に通っている生徒と喧嘩して、押さえ込まれていた。
屈服する気はないらしいが、どう見てもパワー負けしている。
「おいっ」
咄嗟に、仲裁に入った。
「どっちに非があるか解らないけど、もういいじゃないか!?」
「いい子ぶってんじゃねーよっ」
その金髪の子に煽られていてさらに容赦なく殴りかかった。
が、なんなく避けられて、つかまれ倒される。
「おいっ、てめっ」
「よせよ、・・・ザラだろ、アイツ」
「ええ・・?!」
一人が倒されて、仲間が掴みかかろうとしたとき引き止める奴がでる。
「ちぇ・・っ、しらけたーーーいこーぜ。」
「いこいこっ」
倒された奴も、そこまでダメージを食らっていないのか、起き上がって、仲間ともにその場を去る。
 クラスは一緒になったことは無いが、そりが合わないというか、いつも感じが悪い印象しかない。アスランはため息をついた。
金髪の子を起こそうと思って振り返ると、自力で立ち上がろうとしている。
あちこちこすったせいで白いTシャツが赤くなっている。
打ち身の方も多そうだった。
「大丈夫か?。」
手を貸してやる。
知らない子だった。
たいていあのグループに立ち向かう奴はいない。この街の人間じゃないのだろう。
手を取って、立ち上がると小さくありがとうと言った。
ゲーム台に置いてあった野球帽かぶると、その場から離れようとする。
キラとの待ち合わせもあるし、ゲーム機の順番もあるが。
「おいっ待てよっ」
足も引きずって、血のついた服で帰ったら、親が心配するんじゃないか?。
でも、男子だし、あのぐらいすぐ治るかもしれないが・・・、ちょっと考えた後、なんだかほおって置けなくて追いかけた。
 ちょっと、面倒のかけ方がキラに似ている。
 いや・・キラはあんな無茶しないし、本気出したら強いし。

「(ええ・・っ!?)」
追いかけると、またも予想外の事が起こった。
たぶんほこりっぽくなったのと、打ったところを冷やすためだろうか、トイレに入っていく。手前に男子トイレがあるのを思いっきりスルーして、女子トイレに入っていった。
「(・・・女のコだったのか!?)」
間違えて入っていくことは無いだろう。しばらく経っても出てこない。
アスランは携帯を取り出して、母親に連絡する。
「あ・・母上?、買い物中ごめん。・・あの・・頼みがあるんだけど・・。」
さすがに、女のコ相手だとどうしたらいいかわからなかった。
母親によごれたTシャツの代わりになるものと、湿布を買ってきてもらうように頼んだ。
携帯を切ったあと、その子が出てきた。
「・・・お前?」
「・・・いや、・・その、」
流石にほっとけなくて・・とかは言えなかった。
「今、俺の母親よんだからさ。ちゃんと手当てしてから帰れよ。」
え・・?と押さえつけられているときは物凄く吊り上ってた目がまん丸になる。
「・・ちょ・・そんな事までしなくていいよ・・っ・・・・っっ」
「ほら、結構痛いんじゃないか。」
急に前のめりで叫んで、よろめくのを支える。
彼女は大人しく備え付けられているベンチに座った。
「で・・どっちが悪かったんだ?」
「・・・・どっちもだ。」
「そういうことは無いだろ。」
「喧嘩したら両成敗だ。」
「はあ?」
彼女はうつむいた。
なぜ、ここでぼこぼこにされた奴らをかばうのか解らなかった。
たぶん順番か何かでもめたのだろうと予測はしていたのに。
「え・・、ちょ・・おまえっ」
彼女の震える手にぽたぽた涙が落ちている。
「・・・悔しい・・・、ぜんぜん勝てなかった。同い年の奴らなんか負けたことなんかないのに。」
「何、無茶なこと言ってんだよ・・・・。」
「だって・・、あんな問答無用な奴らに勝てないのが嫌だ・・・・っ。説明してくれればちゃんと譲ったのに・・・・。」
手で涙を擦って止めようとしてるが止まらないらしい。
そしてそのままひざを折って、身体を丸めながら悔しくて泣いていた。

ポケットからハンカチを出して渡す。
「・・・・。」
声が震えて、言いにくそうだけど、小さくお礼を言う声が聞こえた。
いろいろ焦りながらキラと同じ、キラと同じと考えながら、でも、女の子でどうしたらいいのかわからないのは変わらなくて。


「・・・アスラン。」
「母上・・!」
駆け寄って、説明する。
「わかったわ、今、手当てしてくるわね。」
「あ・・はい、・・あと、キラが待ってるかもしれないから、行ってきてもいいですか?」
「キラ君は携帯もっていないの?」
「あいつ今、取り上げられているんです。」
苦笑したあと、行って来なさいとアスランを送る。
ちょっと走って角を曲がろうとしたとき、一度振り返った。
その時はもう個室に消えていった。


「アスランっ遅いっ」
相変わらずキラは、がんがん勝ち進んでいて、こいつこそ、譲れと思うが。
「補講になったやつに言われたくないね。」
「ほら、やろうよ。」
ちょうど隣の奴がやめて空く。
「ええっちょ・・、まてよっっ。」
だが、そのまま、なし崩しに、ゲームをする事になった。
まあ、そのまま残っても自分にできる事なんてないし。
3面まで進むと、ギャラリーが集まってきて、いよいよ、抜けられなくなってくる。
ゲーム機とゲーム機の隙間から母上とその金髪の子のお父さんかな・・・とするとちょっと若いけど保護者の人と歩いているのが目に入った。

危うく、コントローラーを落としそうになった。
後ろからついて来る白いワンピースを着た子は紛れも無く自分が助けた女の子だった。
こちらを伺って、ぺこっと二つのみつ編みに編みこみされた頭を下げるのが見える。
こっちも軽く頭を下げて、画面に向き直る。
少しかちゃかちゃ操作して、ゲームに余裕が出て、またそっちに向き直ると、保護者の人とではなくその子本人と母上が話している。
母上に一礼をして、保護者の人に連れられて、エレベーターホールの方に向かっていく。
それが、最後。
幾度か、そのゲームブースにに行ったけど、彼女が来ることは無かった。



・・・いくらキラが待っていたとはいえ、ちゃんと、お別れしなかったことでひさびさに母上に怒られた。





■■■

「うろ覚えで、3年後の訪問のときハンカチ返そうと行ってみたけど、やっぱりそんな適当じゃわからなかったんだよな」
こっちの身元を隠している以上相手のことも聞けなくて、キサカも聞いていないだろう。
名前も聞けなかった。言えなかった。お礼も中途半端だ。
「まあ、素敵ですね~」
ラクスが楽しそうに笑う。
カガリとラクスはベッドの上で、パジャマパーティをしている。話はいくつもあるが、初恋話になった。カガリもラクスもお父さんが初恋である事に代わりが無いのだが。じゃあ2度目はと言う事で。
「どこが素敵なんだよ、ぼっこぼこにされた挙句ビービー泣いて、助けてくれた奴、ホント何事かと思ったんじゃないか?」
「カガリさんらしいです」
「言ったなっ」
ぽふっとクッションを投げる。ラクスがそれを楽しそうに受け止める。
「でも、やっぱりコーディネーターは自分よりも強い事がよくわかって、それから、やなやつばかりじゃない事もわかった。・・・同じだよなあ喧嘩するときは。」
「そうですか、でもいい思い出の方が残ってよかったですわ。」
「うん・・そう思う」


「ラクス、カガリ、入っていい?」
コンコンと、キラの声がラクスの部屋のドアをノックするとともに聞こえる。
「明日のダイビングの準備終わったんだ。下で、バルドフェルドさんコーヒー入れてくれるって言うけどくる?」
「ラクスどうする?」
「いきますわ。」
カガリは頷いて、じゃあ、先にいってると、気を利かせて、階段を下りていく。
そこまで気を使わなくていいのだが、カガリの性格上そうなのだろう。
「・・・カガリとどんな話、していたの?」
「カガリさん、お父様と月に行く事もあったみたいですね。」
「へえ、でもカガリならありえそう」
「その時、コペルニクスの子と喧嘩したらしくて」
「無茶だなあ・・だってコーディネータの方が多かったころだし。」
「でも助けてくれた子がいて嫌な思いしなくて良かったそうですわ」
なんかぴんと引っかかるものを感じて階段の真ん中でキラが立ちどまる。
「・・・?あれ・・なんかどっかで聞いたことがある話・・・。」
思い出せない。なんのことかな・・と考えてみるけど、自分が直接降りかかった事じゃないので思い出せない。
ラクスが、くすくすと笑っている。
「え、何かわかったの?」
「いいえ?、そうだったらいいなと言うことです。」
「ええ~?」
ラクスはとんとんと早めに階段を下りる。
キラが、うーんと考えながら着いて行く。ダイニングにはアスランがカップを並べていて、カガリはバルドフェルドと味の好みを言い合っていた。
ラクスもその間に入ってコーヒーの好みの話を続けた。それぞれ違っていて、キラとアスランはため息をつく。



話の尽きないこんな夜もありだろう。





・・・・なんとなくありえそうな、妄想話。・・妄想です。ホント止まらなくなった妄想。
いや、はじめて会ったのは、やっぱり24話ですが。
コーディネータ相手に喧嘩しているちびカガリとそれをキラと同じでほっとけなくて助けるちびアスランをかきたくなった・・・・・。
テーマ:同人 - ジャンル:アニメ・コミック


















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