FC2ブログ

admin
「いえ、私は任務中ですのでご遠慮させていただきます。」

あくまで丁寧に、周りに集まってくる御婦人らを断った。
壁際に寄りかかって、会場の中心にいるユウナ・セイランとカガリ・ユラ・アスハをみた。
今日はセイラン家主催のパーティだった。
まだ公式発表はしていないが、お披露目と言うところか。
お披露目といっても、まあ、周知のことだった。
カガリの方が名は広まっているが傀儡であることこと。政略結婚であること。
国民は喜んでいるが、政治に近いものはアスハにつくよりはセイランであった。

アスランはひとつため息をつく。

好きな人が別の男と踊っているところなんて見たくない。
だけど、自分の知らないところで何かが起こっていてもいやだ。
そんな子供っぽい葛藤も任務の一言で絶対に参加しなくてはならなかった。

「だめじゃないか、そんな怖い顔して。」
ふっと、何かと思ったら、ユウナ・セイランだった。
後ろにカガリが戸惑ったような顔をして、ユウナとアスランを交互に見ている。
酒でも入っているのか?。
アスランは不機嫌な表情を返すと、楽しくいかないとと話を振られる。
「みんな君の話をしているよ、でもつれないって。」
「任務中です。」
「そんなの忘れて、いいよ、ここはセイラン家だ、警備も万全だよ。」
何かあったら僕がカガリを守るしね、と付け加える。
ただ薄ら寒い言葉たった。


「・・・アレックス、踊ろう。」

カガリが思いついたように自分にドレスを広げて、誘ってくれる。
それに、ユウナ・セイランも・・・アスランも驚いた。
「ユウナすまない、彼は私の護衛なんだ。とりあえず主人の私と踊らなければ、ほかの誰とも踊らないと言うことなんだよ。」
そっとアスランの袖に触れて、カガリはユウナを見て言う。
「でも、ほかの子も楽しみにしているのにそれを妨げるのはユウナの言うとおりパーティのしがいがないよな。」
明らかにユウナがしまったと言う顔をしている。
そんな3人のやり取りに、周りが注目した。




わっっと会場が沸く。

片ひざをついて、たぶんその会場の誰よりも優雅にアスランはカガリを誘った。
女の子の中ではきゃあと高い声を上げるものもいる。

カガリも板についた礼でそれに応えた。



「すまない。アスラン。いやな思いさせて。」
「気にするな。こうして、カガリと踊れているんだし。」
「うん・・。」
立場上いろんな男性と踊ることはあるがアスランのリードは踊り慣れしている貴族たちよりずっと上手かった。
優しくて、力強くて、そして自分の体が羽のように軽く感じる。
「ザフトは社交ダンスも習うのか?」
「まさか、ただ、こんなパーティーは父上がらみでよくあったから、・・・母上に教わった。」
「・・そうか。・・・私もお父様に習った。・・・・・お父様がいたころはお父様としか踊らなかったな、私。」
ははっと冗談めかす。・・・そんなところも、お父様に守られていたんだなとカガリがつぶやいた。
アスランも母上より背が足りなくて悔しい思いをしたんだと哀しそうに笑う。


こみ上げる何かがあった。



だけど、
そんな哀しい気持ちも、この夜にこの場に


何の意味も持たないから。



続く


















管理者にだけ表示を許可する



| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2020 COMBINATION-G, All rights reserved.