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admin
あんまり書き直していないけど、逆チョコを書き直してみた。
アスカガで、ちょっとキララクです。

まさかこの小説1年前に書いたとは思わなかった!!!!!(いや、季節ネタだから気づけ)




続きも書いているけど、まだ続く・・・。今日は無理かな・・・やれたらやる。これからシンケンジャーとゴウオンジャーの映画見てくるのだ!
























「ありがとうございます。キラ、嬉しいですわ。」
「ありがとう!アスラン!凄い嬉しい!」
冬なのに春の花のような笑顔、
冬なのに夏の太陽のような笑顔。
愛しい二人からもらうことが出来た。
示し合わせたキラとアスランの第一段階「喜んでくれるといいな」は成功した。

今年は逆チョコというキャッチフレーズでバレンタインの売り込みが合ったので、それってどうなんだろうねとかいいつつ、ラクスもカガリもチョコレートは大好きなのは当

然知っているので、キラとアスランはその二人の喜ぶ顔が見たくて苦手な百貨店にも行ってラッピングまでもしてもらった。
CMで推し進めている割には男がいなくて相当恥ずかしかったけど、それも二人の笑顔の為だ。

そしてアスランにいたっては・・・少し進展出来たらいいなと思っていた。
キラにはもう付き合っているようなもんじゃないの?と言われているが、伝えていると伝えていないのでは大きく違う。
キラはラクスから告白されていて・・・、で、現在に至り。
アスランもカガリから、告白されたいと思うけれど、どうカガリに映っているかが明白だった。


友達以上恋人未満。



カガリが恋だとかよくわからないのがありありとしていて踏み込めない・・・。
陸上部の部活も忙しそうだし・・。
「キラには帰りに差し上げますね。あ、もちろんカガリさんの分もありますからお弁当の時に食べましょうね。」
「毎年ありがとラクス!、ホワイトデーは後輩たちの分も合わせてアップルパイ焼いてくるから!。たべてくれよな。アスランもホワイトデーのお返し楽しみにしてろよ!」
何か好きなケーキあるかと胸を突いてくる。カガリは力が結構あるので大物のお菓子作りが上手い。
「今年は何人にもらったんですの?」
「えへへ~、15人。一緒に食べよう。あ、アスランとキラもお昼ご飯一緒に食べないか?」
今日は天気もいいし、中庭で食べようって思ってるんだけどとカガリが誘ってくれるのに、キラが、
「あ、ごめん今日僕ら学食で食べるつもりなんだ。」
「そっか・・残念だな。また今度な!」
「うん。」
キラとアスランは中庭に向かうラクスとカガリを見送る。



「・・・あーあ、僕も中庭で食べたかったなあ。」
あと、チョコレート・・・。陸上部の後輩からもらったであろうチョコレートは期待された愛だの恋だのがつまってなくて食べやくて美味しい。
「行ってくればいいだろう。」
「どうしてそうひねくれるの!」
学食なのはもちろん嘘で、予想通りなカガリの態度にアスランが拗ねていた。
察したキラが誘いを断ってくれたのだ。
「カガリが誰にも隔てないのはわかってるんでしょ?だから好きになったんじゃないの?。」
だからこそアスランから行動しないと、だめなんだってばといい募るキラに「玉砕したら終わりじゃないか」という思いも駆られる。
それでもキラの気使いには感謝しつつ、相変わらずな自分とカガリにため息をついた。










「ちょっと帰りに2Aの教室寄って行っていいか?。」


昼食をとったカガリとラクスはキラとアスランのクラスに向かっていた。

何か様子がおかしかった。アスランの。
たぶんラクスは感づいているかもだけど教えてくれないだろうし、わからない自分が哀しいがアスランになら聞きに行ったほうがいい。
甘いものが嫌いだからとかそういうことじゃないだろうな・・とか思いつつ決定的な何かがわからない。

予鈴が鳴る5分前ぐらい。
教室の廊下の窓からキラが見える。
が、アスランはいつもつるんでいるキラのところにはいなくて、2Aの教室の前の出口。

・・・女の子がアスランに何か渡している。

さっきキラとアスランからもらったものより派手な包装の箱。


その受け取った瞬間、


アスランとカガリの目が合った。




「あ・・・ごめん!!出直すから!!」
カガリは後ずさって・・、ぱっと走り出してしまう。
ラクスを置いて。
陸上部の短距離走者なのであっという間に見えなくなる。


渡した女の子はぺこっと頭を下げて1年の教室の方に向かう渡り廊下へ走っていった。

一部始終見てたキラがラクスに会いにやってきて、そして何の言葉もはっすることが出来ないでいるアスランをジト目でみている。
「何やってるの・・・?アスラン・・」
「ですわね・・。」
流石のラクスも冷たい。
「言っとくけど、カガリがたくさんもらうのとアスランがたくさんもらうのと意味が違うからね!。」
「わかっている・・」
「わかってないよ!」


めずらしくキラの大きな声が廊下に響いた。











滑らかなクラッシック音が鳴る。
ラクスのメール音。
文面を読むラクスの顔が綻ぶ。
「どうしたの?」
「はい、この後授業をお休みいたしますわ。」
「ええ?」
「バレンタインのチョコレートはご自宅にお持ちいたしますね。」
いま手元に無いですからと、わかりきったことを伝えられて・・。



全部アスランのせいだ~~とキラが相当凹んで・・・

5・6限の授業が身に入らない男が二人。









やっぱり、女子から男子に渡す時は3/14ではなくて2/14の方がいいのかな。

自分で男子に贈ったことの無いもの、そして女の子から大量にチョコレートをもらう日なのがカガリにとってのバレンタインだった。
アスランは1年の本当に終わりに編入してきた。だから去年は渡していない。

キラと仲良くなって・・それから以来よく家に遊びに来る。
頭いいし、器用だし。優しいし。よく勉強を教えてくれるし。
でも意外と熱血漢で、それから考えすぎたりして危なっかしいところも。

アフメドたちのような男友達とは違う・・・何か。


さっき下級生がアスランにバレンタインのチョコレートを贈っていた。
間違いなく・・・アスランが好きだから贈っているチョコレート。


「(私だってアスラン好きだぞ?)」

こういう友達の好きという言うのがなんだか当てはまらないような気がするけど・・。




携帯を握る。
全部カンでしかないことに振り回されるのはやめにした。
「(ラクスごめん、チョコレートの作り方教えて)」
1分も経たずに返事が来た。
内容はレシピ。


やはりお見通しなのだろう。






ラクスからの返信は帰る途中で買う物のリストと何時ごろお邪魔しますといった内容だった。
あれラクスって帰りキラと帰るんじゃと慌てて返信メールしたら、お家にお持ちいたしますわと返された。


しょげている様子がなんとなく浮かぶ弟の姿・・・。


ごめんキラ。
今度自分のゲームの順番譲ってやるから。


と謝罪しつつメールの受信画面に戻る。
ラクスが送ってくれたリストを見直す。
「え、生クリーム?」





*****



何をやってるんだろうか自分。


5限の授業は生物。
暗記部分の多いこの授業はノートを取らないとテストが辛いのだが、なんだかもうそれどころじゃなかった。


すでに牽制済みの逆チョコだけど、もし他の男からもらって告白受けたら自分など大打撃だ。
昼休みの終わりに教室の前で待ち構えていた女子生徒があまりに押せ押せで、凹んでいた自分はまるで上手く避ける事が出来ず面倒くささで受け取ってしまった。






その瞬間をカガリに見られるなんて・・・。





・・・カガリは自分を心配してきてくれたはずだ。


本当にそういうことができる人だった。

何かを期待したような声でもなく気後れする事もなく押し付けがましくもなく、まるで友人のように付き合える女の子。
1年の終わりに越してきて、一ヶ月だけ同じクラスだった彼女。
彼女のおかげですんなり学校に慣れたものだ。
2年からは理系文系に分かれたため、カガリとは別のクラスになったけど、片割れのキラが同じクラスになり、家にも遊びに行くようになった。

だから、

初めての女子友達・・・ということが、恋に変わるなんてそう時間がかからなかった。



それなりに好きになってくれているかなと思えば、いろんなところでスルーされて・・・。
カガリの鈍さは筋金入りでぜんぜん気づいてもらえず、また自分が想う位置までカガリが自分に惚れてくれないのも結構なダメージだった。
キラとラクスが付き合いはじめて、ダブルデートと称して一緒に海にも行ったし、遊園地にも行った。
その度にカガリが好きになっていて、誰かと付き合うようになっても冷静でいられると思っていたのにぜんぜん進展させる事のできない自分がほんとに情けなかった。
救いなのか、それとも防衛ラインを引かれているか・・はわからないけれど、カガリも告白されたりしているようだけど全部さっぱり断ってしかもその後友達でいたりするか

ら、・・・断るのは嬉しいけど、自分も告白して同じ位置になるのが勘弁だった。


現在地はほんとに友達以上恋人未満。




「ザラ、花芽を形成で必要なホルモンは?」
急に指された。
教科書に載っているだろうから一応開いていた教科書のページの前後を探して教師の質問に答える。

・・もうかなり限界暗期なので。
同じように恋の花も咲けばいい。





*****





とりあえずチョコレートを大量に刻んでいるとラクスが家にやってきた。
そして・・・持ってきた型にびっくりした。

15センチぐらいのハート型。

「やっぱりバレンタインですからハート型ですわ。」
そんな純真な笑顔で言われてもな・・・としばしそのハート型を見つめて・・そしてその派手さが気恥ずかしさを生む。
そりゃラクスからキラに送るならありだけど私からアスランにだぞ?とかアスランが迷惑じゃないか?などと言い返しても、すべてバレンタインですからで押し切られてしま

う。

もうこうなったら、チョコペンで『アスランLOVE』とか書くぞ!!とか言ったらまあ!素敵ですわと嬉しそうに笑うので後に引けなくなった。


そしてラクスから湯煎しながら溶かして生クリームを入れて・・・。

どうやら生クリームを入れないと再度固めたチョコレートは歯が欠けそうなほど硬くなるらしい。
何でだろう?最近やった硫化銅の結晶実験みたいなものか?ちゃんと綺麗に配列されるとか?
などとラクスに話してみたら結晶化するのは愛ですわと上手い事を言われた挙句ちゃんと愛をこめないと駄目ですよ、アスランのことを考えてくださいねと。


・・・。
・・アスランのことか・・。

愛がどうとかはわからないけど、いいところをたくさん浮かべながら作るとしようか。




夏に海に行って、物凄く深く潜るのに付き合ってくれただろ?
遊園地でも、絶叫系になんなくついてきてくれたし。
あ、そういえばクレーンゲームでぬいぐるみ取ってくれたなあ。

クリスマスの日、お手製のペットロボットを贈ってくれて・・・



・・・。
その時のアスランの笑顔が、


凄く優しかったな。





アスランが誰かと付き合うようになったらあの笑顔を向けるのかな。

たとえばさっきチョコレートを渡していた女の子とか。




ツキンと胸が痛む。



そういうことになったらやっぱり寂しいのかな自分。
両手を挙げて喜べそうにはない。



「あら、キラが帰ってきましたわ」
唐突にラクスが反応する。とととーと玄関の方に向かう。
え、まだドアの音していないのに?
もしかして足音で?
・・・ラクスならありうる。


一途で器量よしなラクスに愛されて羨ましいなと帰ってきた弟に思う。








「おかえりなさい、キラ。」

あ、なんか夫婦みたい。
と玄関に迎えに来たラクスに会ってキラの気持ちがそれで浮上する。
「ただいま、ラクス」
と思わず言ってみるとラクスが変だと思うこともなく嬉しそうに笑ってくれる。


うん、図に乗ろう



と決める。帰り一緒に帰れなかったし、姉は台所から遠慮してくれているのかでてこないし。
まだアスランとカガリに遠慮してかチョコレートを渡す気はないらしくラクスの手は空っぽだし。

自分んちの玄関廊下で・・・というのもなんとなくどきどきする。





・・・・ラクスの腕を引いた。


そして軽く口付ける。







*****



ラクスが可愛いカッコでというのでスカートを選ぶことになった。
もうこうなったらコテコテで行ってやる!とほぼ意地の方が強くなってきた。
「ありがとラクス!もう少しゆっくりしていけよ!後でキラに送ってもらえばいいんだからさ!」
二階から顔を出しているラクスとキラにカガリは声が届くように大きめの声で話す。
「行ってらっしゃいですわ、カガリさんも夜遅いから気をつけてくださいね。」
「そうだよ、送らなくていいの?。」
父さんに・・といっても彼氏になるかもしれない人のところに送るのはどうかと思うけど・・こっそり思う。
キラ自身が送るよといってもこれ以上ラクスとの時間を邪魔できないよとカガリに逆に説得されていた。
「まだ8時だし、チャリだったら10分だから大丈夫だよ。」
じゃあいってきます!と見送るキラとラクスに手を振った。

見送った弟は将来兄になってくれればいいなーと思う相手にカガリがそっち行くからちょっと迎えに行ってやってとメールする。




宣言どおり?に思いっきりアスランの名前を書いてやったけど笑い飛ばしてくれるだろうか。
ラッピンググッズもラクスがいくつか持ってきてくれて・・。ピンクや黄色やパステルカラーの中からせめて包装は落ち着いたものにしようとワインレッドを選ぶ。
笑い飛ばしてくれるかどうか・・いまいち不安だったが、とりあえずアスランの昼の様子が治っているかどうかだ。


半分ぐらいまで来たところで自転車に乗ったアスランが見える。
あ、もしかしてキラがメール入れてくれたのかなと、迎えに来てくれたアスランとメールを出してくれたキラに心の中でお礼を言う。
キキッっと音を立てて互いに住宅街の街灯の下、自転車を止める。
「どうしたんだカガリ、こんな時間に。」
「あ、いや、大した事じゃないんだけど、はい、おかえ・・しじゃないか、バレンタインだ!」
ラッピングされたチョコレートをアスランに渡した。
アスランが目を丸くしている。
「・・・もしかしてこれを用意する為に早引きしたのか?」
「まだここまでインフルエンザで熱を出したこと以外は皆勤賞だからたまにはいいだろ?」
「いや・・・うん。・・・ありがとう。」
はにかんだような照れた笑顔とお礼。
とくんと心が揺れる。
「・・良かった、なんか機嫌悪そうだったから、そんな風に笑えるならもう大丈夫・・?かな。」
「あ、いや。ごめん。気を使わせて・・」
「別に謝るような事じゃないだろ?」
どんと胸を突いてくる。
なんだかほんとにどこまでもさばさばしていると言うか気を使わなくていいというか。アスランは安堵する。
どんなものをアスラン自身の為に作ってくれたのか気になった。
「・・・開けていい?」
甘いものが苦手なアスランとしてみればいつもだったら開けもしない包み。
「へ?」
まさかそんなことを言い出すとは思わなかったカガリが間の抜けた声を出す。
でっかくアスランLOVEとか書いていて、これでまた機嫌悪くなったら嫌だ。そんなのは見たくない。
「あ、いや、はじめてチョコレートなんか作ったから、そんなに凄い出来じゃないから後でみてくれ!」
じたばたと暴れてみた。
まずい相当気恥ずかしい。

ちょっと残念そうにアスランはしているけどこれは仕方がない。



ぴぴっとアスランの携帯メールの音がなる。


残念そうなアスランの表情がちょっと焦ったような表情に変わった。






『ラクスを家に泊めてカガリのベット使ってもらうからカガリ返さないでね。』
いや一緒に泊まって、一緒に寝ていることもあるだろう?ラクスとカガリはと言い返したかったが、親友のメールは自分を煽っているというのが真意だ。

親は相変わらず海外出張に出ているので家に呼んで泊める事はできるけど自分の理性が止めるどころか飛びそうだ。
送り返すか泊めるかぐるぐる回ってしまう。
「どうした?キラか?」
カンのいい姉の方はメールの相手を当ててくる。
「いや大した事じゃないよ」
大した事なのだが、とりあえず強がるしかない。
「それならいいけど・・。あ、そうだ、まだラクスが家にいるからまだ帰んないほうがいいからその辺アスラン付き合ってよ。」
メールの内容までも当ててくるのはさすが双子か。・・・少し回避策が生まれる。
「・・キラのメールもそんな内容だったよ。ちょうど自転車だし、丘の展望台とかいくか?。」
行く!夜景見る!と喜んでくれるのが嬉しい。そしてその笑顔が可愛い。自分の大好きなカガリの笑顔。



それにまっすぐ家に誘うよりは、
少し遠回りした方がいい。



*****



途中まで頑張って上ったのだが流石にこれだけ長い時間坂を上り続けるのは難しくて、押しながら展望公園までむかった。
上に付くころには22時になってしまって、学生としてはあまり良くない時間になってしまった。
カガリに家、大丈夫か?というと展望公園に行ってると親にメールは入れていた。
多少、融通が聞く親でもこの時間になったら心配するだろうから、1時間置きぐらいにメールを入れさせた方がいいかな。
自分はほとんど家にいない両親なので問題ないが・・。

自転車を手ごろな夜景が目の前のベンチの傍に置いて荷物も置いて、手すりに掴まりながら山の下と上を見る。
「うわ~~~星も街も綺麗だ~~」
横でカガリが大喜びしている。
綺麗だなっと自分に言ってくれる表情には思わず見惚れてしまって。
「そうだな」としか返せない。ほんとにカガリの笑顔の方が綺麗だし。
いつもの鼓動よりも、早く、せわしなく心臓が動いている気がする。

手をつなぎたいとか
抱きしめたいとか

・・・キス・・したい・・とか。


自分の妄想に赤面してカガリと夜景から目を背ける。
そんな自分に気づかないでのんきに、
「なんかお菓子持ってくればよかった~~」
と気分はピクニックだ。
たしかに夜なので売店はやっていないし、ビアガーデンも夏になると開くけど、今は閉店中だ。
「・・・あ、バレンタイン開けようか。」
名案とばかりにカガリが言う。
が、さっき恥ずかしがった事も忘れない。
「ほんとに笑い飛ばしてくれな!」
どんな事を書いたのか物凄く気になるけど、とりあえず突っ込むところは突っ込もう。
「恥ずかしさよりも、お腹がすいたってことか?」
少し呆れたようないい方で言ってみる。
ばれた?と舌をだすような仕草をされた。
・・・・可愛くて、たまらない。
あんまりこうやって冗談に対して返したりするのできないと思っていたんだけど・・カガリにならできる。




「え・・?」

自分の喉から出た発声は驚きの音。
・・・、カガリが手を握ってベンチの方に自分を引いていく。
思わずカガリの表情を見る・・・




と、遊園地の観覧車の時と変わらない笑顔。
浜辺で夕日を見た時とも・・・


心で、ため息をついた。
まずい、落ち込むとカガリに見破られる。
また機嫌が悪くなったとか・・気を使われるのは・・避けたい。

「そういえばカガリ寒くないのか?」
ベンチに腰掛けてすぐ聞いてみる。
いつも制服でその綺麗な太腿を出してはいるけれど・・。
今もカガリの私服にしてはめずらしいミニスカートで・・それは自分には危険な装いで意識して視線を反らしていたものだが。
とりあえず話しかけて、表情を読み取らせないように、マフラー貸すからひざにかけるように言ってみた。
「あ、たしかにちょっと寒い。自転車乗っている時は気にならなかったんだけどな・・。」
気づかうような表情をする。カガリなら、そうだろう。
「俺は大丈夫だよ。着込んでいるし。」
「・・じゃあ。」
ぎゅっと、腕を掴まれて、引き寄せられる。
腕と腕が密着するぐらいに。
何事だ!と心の中がざわめく。
もちろん甘い期待もするけど、凹むので反らす。
そしてコートの裾をひっぱって、ロングコートの端を自分のひざの上に乗せたのだ。
「うん、あったか長い!」
満面の笑みのカガリ。
今日は冴えてる!と言わんばかりな。




カッっと心臓が熱くなる。
密着している腕と足から熱を持ってるような気さえする。

このまま彼女の肩に腕を回したら、どう見ても恋人同士じゃないか。

それはカガリをわかってるのか?





・・。
この笑顔を違う他の誰かも見ているのだろうか。
・・・・・・。そんなのはいやだ。

自分だけがいい。
・・・・・どのカガリも、ただ自分だけのものにしたい。












「え・・、」
今度はカガリが驚く声を出す。

肩を少し乱暴に引き寄せて、抱きしめた。




「・・・アスラン・・・・・?」



もごもごとカガリが腕の中で動く。
暖かい、柔らかい、気持ち良い。
放したくない。放さない。


無言の自分に不安に思ったのかカガリが「アスラン?」とか「どうしたんだよ?」とか繰り返してくる。
そしてその度にじたばたしている。
好き・・好きなんだ・・
でも伝えたら、このポジションさえもなくなるのが怖い。
カガリが相手なら、今なら冗談で「寒かったから」とごまかせる。


・・・。ごまかせるのか?

自分を。





そろそろとカガリの腕が自分の背中に回される。
もちろん期待したことではなくて・・自分が何かの不安に駆られていてそれを慰めようとしているに過ぎない。・・・カガリなら。


カガリは優しい。
だけど、それだから、自分には謙虚で、どれだけ他の男を魅了しているのか知らない。
こんな風に抱きしめられても、カガリ自身を好きだからしていることだと認めない。




カガリが背中を叩いてくるより先にもっと強く抱きしめる。




それで、自分の事を友達で付き合おうとか言ったら、君から離れる事を選ぶ。


『友達』は無理だから。






「・・・・。・・・好きだ。・・・・カガリが好きだ。」











*****



急にアスランに抱きしめられて戸惑った。
さっきまであんなに楽しそうに笑ってたのに・・・やはり何か抱えている不安があるのだろうかと思った。



「・・・好きだ。・・・・・カガリが好きだ。」





え・・?


・・・・?


・・・好き?








自分を?・・・








それは今まで数えられるほどしかない告白された記憶のときの自分とはどれとも違っていて。

いつもだったら、速攻でいま陸上が忙しいから付き合えないとさっぱり答えていたところだ。



だが、そのいつもの言葉が言えなかった。出てこなかった。



だけれど変わる言葉が解らなくて。



いや、自分のバタつく思考にもかすめたアスランと同じ言葉。

この場合、一番近い言葉があるならその言葉だけど・・・、



今アスランが抱きしめてくれるだけの温度をいままで自分は持ってきただろうかと考えてしまった。




「答え、ほしい、カガリ。」

「答えって、」
数学じゃないとカガリは心で一人愚痴る。

「告白されたらいつもすぐ答えていただろう?」

「・・・・そうだけど、・・・そうじゃなくて・・・。」

「じゃないなら・・・?」


性急に答えを求めるアスランにカガリはカッなる。
「ちょっ、誘導尋問するのやめろよ!」
わけが解らないのにアスランの頭の回転の良さで畳み掛けられてはなおさらわからなくなる。
腕を外そうとさっきよりも強い力でじたばたされて、アスランもカガリのとがった声に驚いて抱きしめる腕を解いた。
街灯に照らされて、涙目になってるカガリがいる。




「・・・・帰る。答えは明日言うから。」






アスランにとっては死刑宣告のように聞こえた。







*****



家までアスランはカガリを送ったが、ずっと何も喋らなかった。
いや儀礼的な言葉以外はか、
途中、カガリがアスランは逆方向だから送らなくていいよと言うのも、こんな時間だから送ると一問答して譲らないアスランにカガリが折れた。


そしてそこで揉めてしまってなおさら何を話したらいいかわからなくなっていて、

さっきまであんなに嬉しそうに話してくれたのにとか、言わなきゃよかったとかそんなことを考えてしまって。


謝るべきなのだろうか、・・・答えを求めた事を、

でもその言うタイミングでさえ逃がしてしまった。








門の前でカガリが小さく「じゃ」と声をかけてくれるが、堅い。



「・・・・、カガリ。」



呼び止められて、カガリはは振り向く。
そしてアスランがカバンの中から出してきた包みに目を大きく見開く。


「・・・、作ってくれた、のは凄く嬉しかった。」






カガリの表情が歪むのが解った。
でももう友達としてのチョコレートを受け取る気にはなれない。



「・・・・欲しいのは、君なんだ。」



欲しいのはカガリの心。





受け取ろうと手を伸ばさないからアスランはカガリの自転車の前かごに入れて、自転車にまたがる。

反転させて深夜の住宅街に消えていった。













バタンとドアを閉めた。

もう、そのままうずくまった。


傷つけた。
受け入れてもらえない。





嗚咽が誰もいない家に響く。











どのぐらいそうしていただろうか。
携帯のメールの音がして、顔をあげた。
キラからだろうか、とごそごそと携帯を開くと、新着メールの名前は『カガリ』。


ぱたんと、閉じた。
駄目だ、読む勇気が無い。




それでも、見ないと駄目だろうが、風呂に入ってからとうしろ向きな行動にため息が出る。










風呂から上がって、携帯を再度開く。



がまた、すぐ閉じた。


自分にとって不都合な事が描いてあるからではない。
2階の自分の部屋から駆け下りて玄関に走る。
カガリが、来ている。


メールから1時間。

分かれてから2時間。


こんな2月の深夜に外にいたら。




『いま、お前の家の前にいる。出て来れないか?』



そんなメールを寄越してきたらカガリは帰らずにそのままいるはずだ。


「カガリっっ。」

スニーカーを突っかけて勢いよく玄関の扉を開け外に出る。
門の横でうずくまっているカガリを見つけた。
やはり着る物を増やさず・・先ほどと変わらない格好。

「・・・アスラン?・・」
「馬鹿やろうっ、凍死するぞっっ」
「ん、ほんと、もしかしたらそうかも・・・って思った。」
でも民家で流石にそれは迷惑だから頑張ってみた、とか笑ってくれると性懲りも無く心臓が揺れる。
さっきの帰り道では消えていた笑顔。それがいとも簡単に返ってきてくれて。
「・・・っどういうやつなんだよ、お前はっ。」
「ごめん・・。」

ごそごそとアスランに支えられるようにして立ち上がる。

アスランの手が暖かい。寒くてそれに少し縋りそうだったけど、そんなことよりも、先に。


アスランの心のほうが凍っているだろうから。




「・・・受け取って?。」


それはアスランが見た事のない表情だった。
泣きそうに笑う。


「・・・もう、遅いかもしれないけど、・・・・・私も好き。」















アスランに渡した箱が自転車の前かごに入れられる。
アスランが言う事はもっともだし、いまのアスランは義理チョコなどいらないだろう。

心臓が痛い。
アスランが返して来るなんて思わなかったから。


・・・

いつもだったら、角を曲がる直前で軽く手を振ってくれる。


それがなくて、





無くなって初めて、気づいた。






自分の気持ちに気づいた。

心臓が痛むのも涙も止まらなくて家のなかには入れなかった。



いまさら、何が言えるのだろうか。

「好きです」とか



怒らせた。

悲しませた。



呆れられた・・?




・・・もう嫌いになったかもしれない・・・。




心が張り裂けそうだった。





















*****











強引にカガリの冷たい唇にキスした。


彼女は驚いて目を見開いたけど、暴れずにすぐにおとなしく瞼を閉じてくれた。




そのまま啄ばんでいるとカガリの唇が温かくなってくる。
贖罪めいて外にいたのだろうか。
そう思うと、強引に答えを出そうとしたことに謝れない自分がイヤになってくる。

カガリを抱えあげた。
いわゆるお姫様抱っこ。カガリごとチョコレートをもらおうと思って。
え、ちょっと歩けるよ!っと今度はじたばたするけど「自分がくっついていたいだけだ」と言ったら顔を赤くする。
・・・これも教室では見た事のない表情。
借りてきた猫のようにおとなしくなるのが可愛いかった。



カガリに風呂を勧めた。
あまりにも冷えていて・・・自分も上がったばかりだからすぐに温めなおしが利くだろう。
家には合宿とかいって本当に勉強会なのだが泊まる事もあって、カガリ用の部屋着がある。

カガリもありがとうといって素直に従った。

バレンタインを渡しに行く前に着替えと一緒にシャワーには入ったけど、凍えた身体を確かに温めたい。


アスランはカガリにタオルを渡して、脱衣スペースから出て行く。


カガリは・・・その辺は知ってるのか知らないのか解らないけれどいつものようにしていて、一歩先のことを妄想している自分になど気づかない。
キスはした。

またキスもしたい、・・・身体にも触れたい。



・・・さっきまでの強引な自分に呆れてきただろう?、そう欲望を振り切るように、ダイニングスペースに戻って、カガリ用の紅茶のお湯を沸かす。



待っている間、バレンタインの箱の中身が気になって・・・、

カガリが風呂から上がるまで待っていたほうがいいのかなと思いつつ、きっと開けさせてもらえないだろうなと、容易に想像ができて、リボンを解いて開封した。



・・・・これを笑い飛ばせって言っていたのだろうか。
流石に苦笑する。
カガリの気持ちが乗っていなかったらかなり辛かったかもしれない。



「え、ちょっ、お前なんで開けてるんだよ!」


風呂から上がってきたカガリはチョコレートの端を少し折って食べているのを発見する。
「だって、君はそうやって止めようとするだろう?」
ぐっ、っと何も言い返せないのかだまって口を尖らせた。
写メも撮ったことは今後の弱みとして取って置くとして、


折ったチョコレートの端をカガリにくわえさえる。



温まったカガリの唇はチョコレートを容易にとろけさす。

カガリの頬を両手で包み、


チョコレートの甘さよりも甘い、カガリの唇を味わった。




































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