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年賀状何にしよう・・・と考えていたら浮かんだ話です。パロディアスカガ・・

あ、へびへびかいてますのでへびが嫌いな方は回れ右で・・。

日向は蛇は・・というか爬虫類は好きなんで・・・むしろ可愛いとおもっていたりします・・・。




**************



「さあ、これで大丈夫だ。」

これで追いかけられるようなことがあっても、いくら真白いお前でも森に入れば逃げ切れるだろう?それともやはり鷹などに狙われてしまうか?なら戻った方が良くないか?と。
そう男は真っ白な蛇に話しかける。
もちろん伝わるとは思ってはいないが、蛇は大人なしくしている。

その蛇はその男も良く知っていた。
この村にここ1年祭られていた白蛇様だったので。
富を運ぶと言われ、お祭りのときに飾られていた。
村の神社はその世話をしていてそのお蛇様が行方不明になって大慌てしていた。
その様子はたいそう気の毒だったので、男だけが知っている薬草が生えている場所でくたりとしていた白蛇様を捕まえて元に戻しても良かったのだが、さらに気の毒に思えたのが疲れてさらに怪我を押してまでして脱走してきた白蛇様のほうだったのでとりあえず一晩は適当な空の壷を与えて休ませて、蓋をあけておけば勝手に出て行くだろうと思いそのままその夜は眠りについた。


男の名はアスランという。村の村長が付けてくれた。
6歳の時にこの村の河に流されたどり着いたらしい。
いい絹の単をきていたようでどこか都の武家のお子ではないかと言われたが、記憶も無いことと、そんな流されてきた子供の身分など明かすようなものは何一つ持ってはいなかった。
端的に捨てられたか殺されかけていたか。
想像ではあるがあまり思い出したくは無いに違いない。

それなりにどころかかなり頭はいいので村で教えてもらえる範囲ではたらず、時に都に勉強にでたり一応自分の記憶探しもしたりするのだが、人一人食うには問題なく成長し16歳の今そのまま村の役に立ちそうだったので与えられた家で薬師として住み着いていた。

薬師なんかやっているせいか、はたまた自分のみの上が不幸なせいかあまり信心深くはない。

なので白蛇様が祭られていたからといってこの村に富があったわけでもないし、今去ったからといって不幸になったわけでもない。

蛇としては結局人間の都合でつかまったのだ。
勝手に逃げ出してもそれは生き延びるために逃げ出したのだ。



朝が来て、アスランはいつもと同じ時間に目が覚めた。
なんとも不思議な夢をみた。
白い衣装を着た金色の髪の女が白蛇様の入った壷に触れるとその壷が金貨で満たされていたという。
なんとも恩返し的な話だと思い、寝ぼけつつ、その蛇が入っていた壷をみると夢で見たようにのと同じようになみなみと金貨が入ってた。

寝ぼけていたアスランは当然に覚醒する。

夢の中では彼女は一つの壷をそんなにしてしまい、大層・・それは大層慌てていて・・、神様らしからぬ動揺でもう一つの壷に触れると同じように金で満たし、大慌てしていた。
・・だから不思議な夢だったのだが・・・、彼女は5つ壷の中身を金に変えて、一晩とめてくれてありがとう、あとこんなにしちゃってごめんと膝をついて頭をさげてから立ち去っていった。

商売道具の薬草が金に変えられてて、まあそれはまた作ればいいだけの話なのだが、本当に神様だったんだなと思った。


それから、1年後また彼女は現れて同じようにしていった。
またその次の年も・・。
彼女から貰ったものはだいたい保管していた。
村が飢饉と感染病に襲われそうになった時白蛇様が現れておいていってくれたものだとそのまま村人に伝えて救ったりもした。

だから二回目の時はまだこのあたりにいるんだと思い、探した。


夜中に山に入るのは危険だ。
だが薬草を取りに行くまでの道ならなんでもない。もしかしたら、もしかしたらいるかもしれないと希望を込めて。



白蛇様には名前がついていた。
『カガリ』と


だからそのその姿を見かけて『カガリ』と呼ぶと振り向いた。
そうして、アスランの姿を見るなり逃げ出した。
そう人の姿をしていたのでその素足で。



月に照らされて、森にはいると蛇の姿になり、また月の光が入るところにでると人になった。
アスランは逃げる彼女をを追った。探しにきたからだし、それ以上に彼女の姿と表情に胸が騒いだからだ。

何回もかわるがわる人の姿と蛇の姿を行き来するので平原にでたところでアスランが追いついた。

「・・・ごめん、怖い・・だろ・・?」
「・・怖くはない、けど驚いた、かな・・。」

彼女の琥珀色の瞳が薄く張った涙で幻想的に揺れた。

ほんとは人間なんだ、と彼女はいった。
だから人間に戻りたくてこんな姿にした呪いを解きに旅していたのだという。
この村には楽しくて好きだったから・・後ろ髪ひかれてなんども戻ってきたんだと。
「まさかほんとうにこんなことができるなんて思わなくて・・」
適当な石に触れるとそれは宝石になった。
思いをこめないと出来ないらしいが・・・
「だから・・、呪いを解いたら、こんなことも出来なくなってただの人間になったら・・・。」

カガリはそのあとの言葉を告げずに、笑う。でも零れ落ちる涙。

お前の傍にいられなくなってしまう、
そのことばをカガリは飲み込んだ。

人には戻りたかった。
今はいるかどうかわからないが父にも会いたかった。
けれど、けれど、この村に、この人が恋しくて、ずっと離れられないでいた。

涙に触れてきたアスランを見上げる。
「白蛇様でも神様でも、カガリがなりたいものになればいい。」
カガリは唇を噛んだ。
「・・・私は人間に戻りたい。このままこの力を持っているとこの呪いをかけた人間と同じように心を失いそうで。」
強すぎる力はまた争いを生んでしまう。
この村がそんなことに巻き込まれるのは嫌だった。
「・・・なら、一緒に探さないか・・?」
「・・え・・・・?」

引き寄せて口付けると、それこそ重ねて慌てふためいている。
一晩泊めた時の金に変えた時と同じ驚き方。
え・・?ええ・?と、
その様子が可愛くて。


ふいに
なにか落ちる


はらり、


ひらり・・、



記憶・・の欠片。


・・・いや、溢れてくる。
無くなった幼いころの記憶。
神様の力はこんなところにも及ぶのか。

「ごめん・・私・・・、」

何か自分がしたのだと、涙をこぼすアスランにカガリは動揺していた。仕方がない。
気丈にしなくてはと思った。それが良かったのかもしれない。
思い出したのはやはり悲しいものだった。
「いや、すまない、もう済んだことだ・・。」

誤魔化すようにもう一度口付ける。
そして強く抱きしめた。・・暖かい。
暖かさに心まで温まるのを感じる。



しばらくそうしていると、カガリの姿が変わらないことに気がつく。

雲が月を静かに隠していたのに。

「カガリ・・・?」
「・・・・アスラン・・・。」

困った顔はとても可愛くて。
人間に戻っても変わらない暖かい気持ち。
二人はそのまま抱きしめあった。




そのまま白蛇様は薬師の家に住み着いて、この村を末永く守ったそうなというそんな御伽噺。


















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